篳篥(ひちりき)

篳篥(ひちりき)という楽器を習っています。

私の場合はポップスも吹きますが、元来は雅楽や神楽に使われ、漆を塗った竹の管でできた本体と、舌(ぜつ)と呼ばれる葦[正確に言えば藤と和紙も使う]でできた2枚リードから成る縦笛です。
一番近い西洋楽器はオーボエでしょうね。

管に開けられた穴は表側に7つ、裏側に2つで、通常1オクターブちょっとしか音域がありませんが、音程を比較的自由に変えられるので、小技でプラス何音かは上下に出すことができます。逆に言えば、ものすごーく音程が定まりにくい楽器です。
以前、指を間違えて吹いたのに出したい音がちゃんと出ていたこともありました。ははは!
この音の揺れを利用した篳篥独特の演奏方法に「塩梅(えんばい)」というものがあります。

習い始めて10年以上経ちますが、月2回のお稽古以外に吹くことがあまりないので、とてもその年数は恥ずかしくて言えない!
なぜ家であまり吹かないかというと、理由はひとつ、音が大きいから~。
雅楽三管のうち、笙(しょう)は天からの光、龍笛(りゅうてき)は天と地の間を泳ぐ龍の声を表すと言われているのに対し、篳篥は地の人の声を表すためなのか、やたら大きい。よって、主旋律を担当することが多いのですが。
かの清少納言に枕草子で「篳篥はいとかしがましく、秋の虫といはば轡虫(くつわむし)などの心地してうたてけぢかく聞かまほしからず。ましてわろく吹きたるはいとにくき……。」とまで書かれていて、クツワムシはひどいけど、まぁ仕方ないかなとも思います。

ただ良いリードで吹くときは、他の楽器では出せない味わいの音で奏でることができます。
西洋音楽で合うと思うのは、ちょっとサビの効いたゆっくりめの曲。
「涙そうそう」「少年時代」「ムーンリバー」なんか吹いていて泣きそうになるし、「ふるさと」「里の秋」「浜辺の歌」などの日本の同様にもしっくりきます。